崇高なサッカー文化へ
欧州サッカーのDIVINA
崇高なサッカー文化へ
コラムニスト : いけっちFCさん

人間が長年にわたって形成してきた慣習や振舞いの体系。

それが文化である。


歴史を持つサッカー大国では、国民・サポーターのサッカーを受け入れる姿勢が整っている。
街並み、環境。
サッカーのある生活。サッカーがあっての生活。

そんな中で暮らす人々。
いや、サポーター。

日本と比べて、街並みや環境だけでなくサポーターもまた上級者。


声を出し、応援歌を歌う。
そういうサポーターが全てではない。
固唾を呑んで見守り、
チャンスには叫び、
味方への不利な判定には
狂ったようなブーイング、
ピンチには泣きそうな顔で戦況を見守る。

そんな人たちもサポーターであるとオレは思う。


今回のW杯を通じて、最近感じていた日本代表戦でのスタジアムのサポーター。つまり、観光化していた日本代表戦が少し変わったと思った。
現地ワールドカップというのが大きな部分ではあると思うのだが、基本的にはおとなしく試合を眺める青のシャツを着たブルースたち。
会場の上の方で観戦したため余計にそういった部分が見えたのだろう。
みんながみんな我がことのようにもがき苦しむ。
そして時に涙まで流す。

大声出してサポートすることだけがすべてではないな。
そう思った。

もちろん全てがこういうサポーターであってほしいというわけでもないし、そうであったら日本コールなんてなんともしょぼいものになるであろうことも承知である。

あれはイタリアvsオーストラリア戦会場で見た時である。
スタジアムを青く埋め尽くした日本サポーターと黄色で埋め尽くしたオージーサポーターの割合はおそらくそんなに変わらない。しかし、サポートの迫力・醸し出す雰囲気というものは両極端であった。わざわざドイツまで来て全身ブルーに身をまとい応援しに来ているわけだから、もっと魂込めて、声を出していくべきだったのではないか。照れや恥じらいというものを捨て、もっともっと狂っても良かったのではないか。
今大会、選手だけでなく、サポーターも気持ちを出し切れなかったのではないか。

新たなライバルを見てそう感じずにはいられなかった。


今までを見てきたものとして、ミーハーの存在を疎ましく思うものとして、いまの現状がbestと言っているわけではなくて、昔よりほんの少しだけ進歩した。
そう感じた。


その一方で、
日本サポーターは現実を見ることが出来ていない人間が多い。
そう感じる。
決して非難しているわけではなくて、そういう人たちが日本サッカー、日本代表を支えているとオレは思っている。

しかし、
課題を見つけ、現在を見つめる分析能力に欠けている。
祈る、信じる。それだけ。
これに勝てば、奇跡は起こる。


そうじゃなくて。


なんていうのか。次を、日本サッカーの未来を考えたらこの状況、この結果なら次はこういう戦い方をという考え方が少しでもできないかなと。

まだ終わっていない。
あきらめたら終わり。
もう無理というのは非国民。

みたいな。


夢見ることは自由ですが。

今回のW杯ははっきり言ってオーストラリアに負けた時点でグループリーグ敗退は8割方決まっていた。負けるのはブラジルだけという覚悟で望むべきグループで、不調のキューウェル、ビドゥカになんともつまらないサッカーを展開するオーストラリアに負けた。あれだけ不甲斐無い内容で。逆に言えばラッキーな勝ち方をするよりは、こういう負け方の方が良かったとさえ思う。

先日発表されたFIFAランキングでは18位から49位にまで下がった。夢の世界から現実を叩きつけられたように。
日本は、さすがにこんなにランキングの低いチームではない。しかし、このランクダウンによって、W杯での惨敗によって、2002年から始まった勘違い、夢見心地から一気に覚めさせてくれるような気がする。

これで、データとして表れるサッカー人気(視聴率、観客動員など)は落ちるかもしれない。

いや落ちるであろう。

しかし、サッカー人口であったり、ふとした日常の会話にサッカーが登場する場面が、年々多くなっていくことは間違いない。
こうやって少しずつ少しずつ年月を重ねて文化というものは根付いていく。

ドイツから日本に帰ってきてフットサルをしたその時。
まったくサッカーをやったことがなかったであろう多くの人たちが、フットサルですごく盛り上がっている風景に出会った。
純粋に楽しそうであり、楽しんでいた。
人間が長年にわたって形成してきた慣習や振舞いの体系。

それが文化である。


また、文化は、「未開」の対極と考えられることもある。ラテン語colere(耕す)から派生した英語やドイツ語のcultureやKulturは、「文化」という意味以外に「耕す」、「培養する」、「洗練したものにする」、「教化する」といった意味合いを持つ。
日本にも文化としてサッカーが根付きはじめている。
なんてことはないCAFEで、まったく知らない人と、いきなり前日の代表戦の話で盛り上がる。
そんな光景がみられるようになりますように。

そう願うと共に貢献したいと願う。

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