今回はワールドカップ決勝の振り返りです。
イタリア、フランスともに予想通りの先発メンバーでした。
イタリアは4-4-1-1の布陣でGKジャンルイジ・ブッフォン、DF右からジャンルカ・ザンブロッタ、ファビオ・カンナバーロ、マルコ・マテラッツィ、ファビオ・グロッソ、MFアンドレア・ピルロ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、マウロ・カモラネージ、シモーネ・ペロッタ、FWフランチェスコ・トッティ、ルカ・トニというメンバーで、マルチェロ・リッピ監督率いるアズーリは今大会最も守備の堅いチームで、ここまで毎試合違う選手が得点を決め、日替わりヒーローで勝ちあがってきました。
対するフランスは4-2-3-1の布陣でGKファビアン・バルテズ、DF右からウィリー・サニョル、リリアン・テュラム、ウィリアム・ガラス、エリック・アビダル、MFクロード・マケレレ、パトリック・ビエラ、フランク・リベリー、フローラン・マルダ、ジネディーヌ・ジダン、FWティエリーアンリの11人が先発に選ばれました。レイモン・ドメネク監督が率いるル・ブルはイタリアとは違い、テュラム、マケレレ、ジダンといったベテラン勢が決勝トーナメントから復活し、そこにリベリーのような若手が絡んでいって決勝まで残るチームになりました。特徴はこのチームもやはり守備で、イタリアと同じくチーム一丸となって勝利を目指す姿勢が印象的でした。
試合は以外にも開始直後から動きました。前半7分マルダの突破からマテラッツィがペナルティエリア内でファウルを犯し、フランスにPKが与えられました。ペナルティスポットに向かったジダンはこの試合のこの場面でループシュートを打ち、ボールがクロスバーの下を叩いてブッフォンを破りました。このゴールでブッフォンのワールドカップ連続無失点記録更新への挑戦も途絶えました。
初めてビハインドを負うことになったイタリアでしたが前半19分にセットプレーのチャンスを活かしました。右サイドからのCKでピルロが絶妙なボールを蹴り、空中戦に勝ったマテラッツィが見事に合わせてネットを揺らしました。先制点に繫がるミスを犯したマテラッツィの名誉挽回となるシュートにバルテズは一歩も動けずに失点を許しました。
前半はイタリアの方が優位に進め、35分にはまたもピルロのCKからあわやという場面を作りました。今度合わせたのはトニでしたが、この長身FWのシュートはクロスバーに弾かれ、逆転ゴールはなりませんでした。
後半は一転してフランス優位に進みます。アンリの個人技による突破からチャンスを作ったフランスは前線のアンリと両サイドのマルダ、リベリー、そしてジダンがポジションを変えて相手の強固なディフェンスを困惑させていました。しかし、フランスはゴール前に走りこむ動きに欠けたためカンナバーロ、ブッフォンの固めるゴールを再び打ち破ることができません。フランスを襲った最初のアクシデントは攻守にフランスを支える柱となっていたビエラの負傷退場です。アルー・ディアラが交代で出場し、できはそれほど悪くはありませんでしたが主力を失い、予想外の場面で1枚カードを切らなくてはならなくなったのは痛手でした。
イタリアは主にセットプレーから得点を狙い、FKの場面ではトニがフランスのネットを揺らしたもののオフサイドの判定となりました。イタリアのエースはこの日は得点に恵まれていませんでしたね。この後押し込まれたイタリアは攻撃に出るためにペロッタに代えてビンチェンツォ・イアキンタを投入し、さらにはボールに触れられず前線で孤立ぎみになっていたトッティを下げて出場停止が解けたデ・ロッシを投入します。しかし、これでも上手くいかず、後半終了直前にはカモラネージを下げてアレッサンドロ・デル・ピエロをピッチに送り込むために3枚目のカードを切りました。
結局フランスが決定力に欠け、堅守のイタリアも前線までボールが繫がらず、決勝は延長戦に突入することとなりました。
延長戦もやはりフランスが攻め、イタリアが守る展開となりました。しかし均衡は破れず、フランスは疲れの見えたリベリーに変えダビド・トレゼゲを投入し、ユーロ2000でイタリアを葬ったFWの活躍に期待しました。最大のチャンスは延長前半終了直前の場面でした。オーバーラップしていたサニョルからのクロスをジダンがフリーで合わせ、見事なヘディングシュートを放ったもののブッフォンのスーパーセーブに阻まれてキャリア最後の試合での2ゴール目を決めることが出来ませんでした。
延長戦も後半に突入し、フランスはもう動けないような状態になっていたアンリを下げてシルバン・ウィルトールのために最後のカードを切りましたが最後のところで相手を崩せないのは変わりませんでした。そして6分、この試合最大のアクシデントが起こります。マテラッツィの侮辱に対してジダンが頭突きで報復し、主審は見ていなかったものの副審との協議の結果ジダンは残りの9分間とPK戦を戦いきる前に決勝のピッチから姿を消しました。偉大な選手の最後の試合、しかもワールドカップの決勝には相応しくない悲しい場面でした。
このまま延長後半が終わり、120分を戦っても決着がつかなかったため、ドイツワールドカップの最後の試合はPK戦に突入しました。先攻のイタリアはPK戦に良い思い出が無いもののピルロ、マテラッツィ、デ・ロッシ、デル・ピエロの4人がキックを成功させ、フランスはウィルトール、トレゼゲ、アビダル、サニョルの4人のうちトレゼゲのシュートがバーに嫌われました。4人が終わって4-3とリードしたイタリアの5人目のキッカーを務めたグロッソはこの大役をこなし、アズーリの4回目の世界制覇が決まりました。
勝利の瞬間イタリアの選手たちは一斉に走り出し、その後のおお騒ぎの中でカモラネージが髪を切り落としたり、ガットゥーゾが芝を食べたり、マテラッツィがイタリアの応援グッズの帽子をトロフィーに被せたりと色々あった後、アズーリのキャプテンを務めたカンナバーロがトロフィーを掲げました。
ジダン退場の問題がまだ尾を引いていることは残念ですが、決勝に相応しい緊張した試合でした。