この日、ホームのバルセロナは格下マラガ相手に苦戦を強いられていた
相手ゴールキーパーフランシスコ・アルナウは元バルセロナの2000、01シーズンの主力ゴールキーパーだった
彼はライバル、レアル・マドリードとのエル・クラシコでの試合で致命的なミスを犯してしまいそれ以降ベンチを暖める事となったが
その後、彼はバルセロナを放出されマラガで成長していった。
そして来たる2005年10月26日水曜日、彼は元チームメイトの前に立ち憚った
試合は前半の開始の笛が鳴るや否やバルセロナの怒涛の攻撃の前に自陣に引きこもるマラガイレブン
アルナウも決定的な10本近くのゴールに向かってくるシュートを己の体全体で弾き返しゴールに鍵を掛け続けた。
前半終了間際、コーナーキックからマラガエースのサルバがキーパーの目の前でボレーシュートを打つもゴールには至らず
前半はマラガの思惑通りの0-0だった
後半開始、左からの何でもないクロスをバルセロナディフェンダーが見送ったボールがフリーのエドガルへ・・・
しかしミッドフィルダーの彼は数少ないチャンスを決めきれない
試合は、いつどちらのチームが先制点を決めても分からない緊迫した試合内容だったが
しかし、後半80分事件は起きてしまう
今回の主役バルセロナのロナウジーニョが左サイドからドリブルでペナルティーエリアに侵入
彼のスピードに付いて行けなかったマラガのディフェンダー・アレクシスはスライディングでボールを弾いたと思われた、しかし・・・
その瞬間主審はペナルティー・キックを宣告した。
スローモーションでリプレーを見ても先にボールに触れたのはアレクシスであり、ロナウジーニョはボールにも触れてはいなかった
彼は、シミュレーションを冒したのだ
ロナウジーニョ
守備主体のサッカーが蔓延する昨今で
彼は今世界で一番見ていて楽しいサッカーをプレーする選手だ
選手が選ぶベストプレイヤーにも選ばれ今が全盛期の彼が
なぜシミュレーションを冒したのか?
この1プレーにより彼のサッカー人生に汚点を残すかもしれないのにも拘らずだ・・・
序盤戦
引き分けの多さに躓いた王者バルセロナ
スペイン代表がプレーオフに滑り落ちたため
日程が繰越、詰まり
1週間に3試合もこなさなければいけない
ハードな日程と勝たなければいけない王者故のプライドを傷つけまいとする重圧
そして実は、この試合
彼にとってバルセロナ入団して以来、出場試合100試合目のメモリアルマッチだった
だからこそ、そんな事をしてまでも勝ちたかったのか?
試合はこの物議を醸し出しそうなペナルティー・キックをロナウジーニョ自らが決めた上
88分には途中から入ったラーションが
キーパーの動きを冷静に判断しループシュートを決め
2点目が入った事により1点目の言い訳を作った
審判を欺いてでも試合に勝つべきなのか?
自分はサッカーが好きだ
それに、ロナウジーニョのプレーを見ていると眠っていた己の願望を抑えられずボールを蹴りたくなる
そんな彼の勝ち点3の代価は・・・
我が心
打ちつける
一本の釘
痛む心とジレンマ
字、余り過ぎ・・・