今世界で一番太っているクラブ・・・
それは紛れもなくチェルシーであろう。なんといっても準世界的なスターをスタメンからあふれ出るほどに保有しているビッグクラブである。毎年のように何人もの選手を金を惜しまずに連れてくる。今年は有名どころだけでもリヨンのエッシェン、マンチェスター・シティーのライトフィリップス、ビルバオのデル・オレノ、そしてレンタル先のミランから帰って来たクレスポ。そうそうたる面々だ。しかしこんなに次々と選手を獲得を獲得していても一向に経営難に陥らないのは、そう、みなさんご存知のとおり、アブラモビッチ会長のおかげである。
彼を含めてチェルシーのフロント陣は極めて賢明であるといえる。同じように大金を湯水のように使い、スター選手を獲得してきた少し前までのレアルマドリードとは方針が少し違う。レアルの獲得するスターというのは、すでに完成された選手、つまりは20代後半から30近くの選手なのである。これでは一刹那の栄華を極めて終わってしまう。それに比べ、チェルシーが獲得するのは、20過ぎの若手なのである。若い発展途上の選手を獲得し、名将モウリーニョの指導により緻密な戦術により完成されたチームを作っていく。継続的な発展を目指すクラブとしては最高の形である。
この太っているチームも新陳代謝は活発である。ケジュマン、チアゴ、ベロン・・・ 入ってくる反面、当然出て行く選手も多いのである。大金をつぎ込んで獲得した選手をこんなに簡単に売り飛ばせるのも会長さんのおかげであろう。
レアルはこれが出来なかったのである。しかし最近は改善の兆しが見られ、フィーゴ、オーウェン、サムエル、ソラーリ・・・どんどん放出し、ロビーニョ、ジュリオバプティスタ、セルヒオラモス、パブロガルシア。実にいい補強であると思うのは、まさしくセルヒオラモスである。崩壊寸前の(もしくは崩壊後の)ディフェンスの建て直し、サルガドの控えとしてもすばらしい買い物だったといえる。
話がそれたので戻そう。
先にも言ったとおり、チェルシーはとても選手層が厚い。ヨーロッパのカップ戦、自国のカップ戦、そしてリーグ戦と、強豪チームは実にたくさんの試合をこなさなければならない。その面ではクオリティーの高い選手がたくさんいるというのは心強いことである。一般のクラブでも自国のカップ戦など格が劣る試合などでは、多少メンバーを落とすというのはありがちなことである。それが仇となり下位のチームに負け、敗退なんてこともよくある。その可能性が低くなるのは実にうれしい事である。
痩せ型クラブとは・・・
世界的なクラブの財政赤字化が進む中、痩せ型クラブは珍しくない。痩せ型には大きく分けて二つのタイプがある。
まず一つ目。あまりメジャーではないが、スペインのオサスナ。ここはすばらしい経営陣で、わずかな予算でビッグクラブに勝利するというすばらしいクラブである。ここは下部組織がすばらしい。ここでの下部組織というのは、選手だけではなく指導者も優秀なのである。下の組織がしっかりしていれば当然上も強くなる。まあ当たり前のことであるが、それが出来ているクラブは実はあまりないのである。
そして二つ目。それは、あの有名なマンチェスターユナイテッドである。え?マンチェスターユナイテッドってビッグクラブじゃないの?? そう思うのは当たり前である。ここでの痩せ型とはオサスナとは違う。現在マンチェスター・Uには有名な4人のフォワードがいる。ニステルローイ、ルーニー、アランスミス、サハ。アレックス・ファーガソン監督は、ロイキーンの後釜として、なんとアランスミスを指名したのである。ロイキーンは中盤の真ん中、つまりポジションが違うのである。では、なぜファーガソンはフォワードの選手を中盤で使おうと考えたのか?
それはファーガソン監督の選手のモチベーションに対する考えから生まれたのである。4人もフォワードがいては全員を満足させられほどの出場機会を与えられるはずがないと考えたのである。ルーニーは確実にこれからのクラブを担う存在、ニステルローイは実績的に外せない、さらに当時はサハが故障中ということもあり、戻ったらサハがサブということでアランスミスに白羽の矢が立ったのである。やはりロイキーンも歳には勝てず、そろそろ後釜を、と考えると賢明な選択であるといえる。
アレックス・ファーガソン監督は、「あれだけの選手を抱えながら、そのすべてを満足させることは不可能だ。そこがチェルシーの唯一の弱点だ。」と言っていた。確かに、その通りである。ベンチに座っているのが好きなサッカー選手などおらず、それだけで満足な選手は大した選手ではない。サッカー選手は試合に出てなんぼだと個人的にも思う。
それでは、どちらが良いのであろうか?
まず、それぞれのメリット、デメリットをあげてみよう。
メリット
肥満型 ・怪我に強い
・高いクオリティーを毎試合保てる
痩せ型 ・高いモチベーション
・少ない予算
デメリット
肥満型 ・高額の年俸、獲得資金
・選手のモチベーション低下
痩せ型 ・主力の怪我で大きなダメージ
・試合日程が詰まるとどちらかを捨てる可能性
このように、肥満型と痩せ型は表裏一体の存在である。現在のクラブの財政状況からいうと、これからのサッカー界は痩せ型と、凄まじい金持ちがバックについた肥満型の二極化が進むかもしれない。しかし、それでもいいと思う。サッカーファンの視点からいうならば、金満クラブの独走を許さないためにも、各クラブが出来る限りの手を尽くし、独特な手法でクラブを強化していって、混戦が続くようなリーグ戦が見てみたいものである。